2010年11月1日月曜日

風の音 ~その3 最終章~



支所の中にいるとさきほどの建物の音以外にも音を感じる。
木々の葉がばさばさ音を立てることだ。
そして「雨が降ってきた」と思った。
パラパラと音がし始めたのだ。

     ◇    ◇    ◇

しかしそれは錯覚であったことに気づく。
木の実が飛ばされて隣の家のトタン屋根に当たる音だったのだろう。
ちょうど台風が南から接近中のニュースもあり、雨が降ってきたと思い込んだのだ。

     ○    ○    ○

生徒たちにしてみれば普通のことらしい。
私が怖かったり錯覚しているこの風の中を平気で登校下校していく。
「キャー」の一声もない。
平戸も島なのだ。
風の通り道に暮らす人にとっては普通のことなのであろう。

     ☆    ☆    ☆

今までの異常を平常に変える工夫がこれから必要だと感じた。

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