2010年10月29日金曜日

いつになったら ~その5 最終章~



この子らを銀行から帰ってきた時に車の中から見かけので、さっそく支所の駐車場に止めて、ボールを持ち上げた。
それをそのまま、書いてある校名が相手に分かるように持って駐車場を出ていく。

     ◇    ◇    ◇

この子らに渡そうと思ったのはわけがある。
駐車場に車を入れる時に会釈をしたら、しっかりと返してくれたのである。
「あぁ、この子らはきちんとできているな」と感じて、大きな問題にはならないだろうと思ったのだ。

     ○    ○    ○

私が近づいて行くと、一瞬驚いた様子であった。
それでも、全く拒否ではなかった。
そして「私はそこのPLの者です。このボールはあなたたちの猶興館高校のものですが、数日前からうちの駐車場に入ってきていました。
きっと探している生徒もいると思うので、サッカー部に返してくれますが?」と頼んだ。
返事は快諾だった。
そして私がボールを渡して帰る後ろ姿で聞いたことは「サッカー部の○○君に渡しておこう。そうすればいいよね」ということだった。

     ☆    ☆    ☆

こちらの思惑通り、女子生徒は同級生の男子生徒に渡して、ボールは無事にサッカー部に戻ることにあるだろう。
数日の気持ちが吹っ切れた感じで、ほっとした。
今の高校生も捨てたもんじゃない。

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